涙 [赤裸裸]
盆提灯。
唐突ですが、、、
僕という人間は、涙を出すことができます。
その程度と言えば、よく出す方です。
涙腺が緩むというのは、琴線に触れるからだと思います。
「喜怒哀楽」という表意文字を超えた感情が、心中に張ってある弦を振動させるからだと思います。
人よりもよく泣く僕は、人よりも多くの弦が張ってあるのだろうか?
人よりもよく泣く僕は、人よりも繊細な弦が張ってあるのだろうか?
人よりもよく泣く僕は、人よりも弦を振動させないという忍耐力に欠けるのであろうか?
人よりもよく泣く僕は、チューニングが間違っているのであろうか?
人よりもよく泣く僕は、優しいのであろうか?
人よりもよく泣く僕は、おセンチなのであろうか?
人よりもよく泣く僕は、涙を流す自分に陶酔しているのであろうか?
ここで一つ。
沖縄県のある地方では、子供が生まれると親は熟成していない泡盛をその家の床下に貯蔵します。
この泡盛を「いつ?」「誰が?」飲むのかということを聞いて、涙が溢れてしまったことがあります。
普通の、ごくごく平凡な考えでは、本人の成人式や結婚式で飲むと思われます。
でも、その地方の風習では、本人が「死んだ時に」、「残された者が」飲むのです。
本人は自分のために貯蔵された泡盛を、決して口にすることはないのです。
不幸なことに、親が自ら貯蔵した泡盛を飲むこともあります。
泡盛と言えば、「古酒」という周知の言葉から分かるように年代物が重宝されます。
年代物は旨く、日の浅いものは不味い。
例えば、100歳で死んだ人が生まれた時に貯蔵した泡盛は旨い。
わずか、1歳で死んだ人の泡盛は不味いのです。
でも今は、一義的に味覚だけを取り上げているわけではありません。
旨い、不味いというような浅薄なことではないのです。
残された者は、その享年と、その泡盛の熟成具合とを、味覚という天秤で測り、そして想うのです。
泡盛の熟成具合に裏打ちされた、故人との記憶や故人が実現したことを、口の中で味わうのです。
旨いなぁ~!(涙)
なんで、こんな不味いねん!(涙)
と、想うのです。
涙。
はじめまして。なんだか感動しました。
ちなみに俺もけっこう涙を出すことができます。
人はバカにしますが俺はまるで気にしてません。
by JOSH (2006-08-29 19:43)